日常生活を離れて自然の中に身を置くと、心も体も開放されます。 環境の変化が刺激となり、心や体の調子が整うことを「転地効果」といいます。
温泉地は自然環境に恵まれたところが多く、転地効果で健康づくりに活用できます。
普段、人間の脳波には緊張や不安な状態で現れるβ(ベーター)波が多く出ています。この状態が長く続くと健康には悪影響です!反対に好きなことをしているときに現れるのが α(アルファ)波。温泉に入った後はこのα波が増えるそうです。 露天風呂に入ると、さらにα波の割合がアップします。
全身入浴した場合、浮力により体重は10分の1になります。のんびり体を伸ばしているだけで、 足腰が日頃の負担から解放されます。水中で手足を素早く動かすなどの軽い運動をすれば筋力アップやリハビリテーションに効果的です。
湯の中では静水圧により、体が数センチ縮まっています。このマッサージ効果が血行を促進 して足のむくみを除き、また肝臓や脾臓の機能も高めます。
湯の温かさが血行をよくして新陳代謝を促進し、老廃物を排出します。 筋肉や関節の痛みもやわらぎ、発汗も円滑になります。温泉からあがるときには、 体をきれいに拭かずに自然乾燥し、体に温泉の皮膜をつくるとサランラップ効果で効能が持続します。 また、入浴後3時間ほどは、肌についた成分の効果が持続しています。くれぐれも温泉を洗い流さないように気をつけましょう!
温度に体を慣らすため、かけ湯は念入りに。足から腰、指先から肩と、胸から遠い順にかけていきます。最後にのぼせ、脳貧血を防ぐために頭にも念入りに。
いきなり全身で入浴するより半身浴で体を慣らしましょう。泉温や水圧による急激な負担がかかりません。
体を洗うのは湯船で温まってからが効果的。古い角質がやわらかくなり、毛穴も開いて汚れが浮き出るので 洗い流しやすくなります。ただしお化粧をしている人はかけ湯の段階で洗顔を。 化粧品が邪魔して、体が温まっても毛穴が開かないからです。
入浴時間はおでこや鼻の頭が汗ばむ程度が目安。汗が流れ出たり、動悸がするほどの長湯はやめましょう。入浴の回数は一般的には一日2~3回が限度、それ以上は体に負担がかかって逆効果。
せっかくの薬効成分もシャワーで流してしまっては効果が台無しです。体は自然乾燥か水滴をぬぐう程度に。(皮膚炎を起こしてしまう人は真水で流しましょう)
発汗により体内の水分は少なくなっています。
お酒を飲んだあと | 酔って転ぶ心配はもちろん、血行が良くなり過ぎ、血圧上昇や心拍数増加で心臓発作を起こすこともあります。 湯あがり後は急激な血圧低下で脳貧血の危険も。 |
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ごはんを食べた直後 | 血液が皮膚や腎臓にいきわたるため、消化器官にいく血液が減り、食べ物の消化・吸収の働きが悪くなります。 食後は30分から1時間の休憩をとってから入浴を。 |
風邪をひいたら | 体調がよくないときに熱い湯に浸かるのは禁物です。ぞくぞく感(悪寒)や熱のないときなら、ぬるま湯にゆっくり。 温まったら湯冷めをしないように保温することが大切です。 |